原作、伊坂幸太郎「マリアビートル」を映画化した、映画『ブレット・トレイン
』。
私は映画→小説→映画のサンドイッチをしたのですが、どちらともに共通でいえるのは濃い魅力的なキャラクターたちの存在。
映画を観たら小説のキャラに会いたくなるし、小説を読んだら映画のキャラに会いたくなる。
今回は、両方観る時間はない!あるいは本は読まない!という人に向けて、小説と映画のキャラクターの違いをまとめてみました。
原作と映画のキャラクターの違い
木村雄一
映画【アンドリュー・小路】

原作
無精髭を生やし、血色は悪く、目の周りは薄暗く、不健康な様子だった。
マリアビートルP35引用
原作では、息子が事故に遭うまでの物語がたくさん描かれており、王子との出会いも良く分かります。
映画の木村は原作に比べ、少しばかり小綺麗でカッコよく感じます。
原作はもっと、ガラの悪い田舎のヤンチーが大人になった、小汚いアル中のおじさんというイメージです。そして、もっとフレンドリーでおちゃらけた感じです。
天道虫
映画【レディバグ:ブラッド・ピット】

原作【七尾】
二十代後半とか、三十代前半とは、それくらいかも。そうそう、黒い眼鏡をかけてました。格好良かったですよ。
目尻にはお人好しの象徴とも見える、皺が刻まれている。
マリアビートルP105.197引用
ブラピ演じるレディバグも、「もう戦いはごめんだよ」みたいに戦いからは退いた、ゆるい感じのキャラですが、原作もそんな感じ。
でももう少し若くて、スラっとしてて塩顔系なのかな?と妄想。
日本人なら、田中圭とか、坂口健太郎とかそこら辺のイメージ…
でもめちゃくちゃに強いっていうギャップ萌えですね。
果物
映画【レモン:ブライアン・タイリー・ヘンリー/
タンジェリン:アーロン・テイラー=ジョンソン】


原作【檸檬と蜜柑】
- 檸檬
長めの髪は獅子の毛のようである。一重瞼の目と不服そうな口の歪みは、仕事に倦み、何をやるにも億劫に感じる檸檬の性格の表れに見え、性格が先か外見が先が、と蜜柑はぼんやり考える。
マリアビートルP13引用
- 蜜柑
黒髪の長身男は…
マリアビートルP215.466
二重瞼の目は鋭かったが、何を考えているのか読み取るのが難しい。
2人とも瘦せ型で、身長は180㌢近い。映画では明らかに双子ではありませんが、原作では本当に双子のように見えるみたいですね。
ずっと冗談を言い合ってるおちゃらけた2人組。
原作では、2人ともイメージはガラッと違います。
檸檬は、一重で小汚い大雑把なイメージ。トーマス好きは変わらず。原作を読んでて、あまりにもトーマスの比喩が出てくるもんで、トーマスのキャラと性格、大体覚えちゃいました。
一方蜜柑は、クールで顔はイケメンのイメージ。
檸檬に対して、蜜柑は小説オタクです。檸檬がトーマスで例え話を始めると、小説の一文を引用して対抗します。
原作の2人もとっても良き。
狼
映画【ウルフ:バッド・バニー】

原作【狼】
小柄でハンチング帽を被り、作り話の世界によく登場してくる私立探偵にも似た格好だ。
マリアビートルP39引用
こういう不景気な顔つきの、探偵じみた服装が好きな男がいたな、と思い出した。
特記事項なしかな。
映画同様あっさりお亡くなりになります。
映画では、力で成り上がったという描かれ方がされていましたが、原作ではもう少し底辺のイメージかな…女・子供、弱い奴にはデカい顔するぜみたいな。
王子
映画【プリンス:ジョーイ・キング】

原作【王子慧】
白い襟付きのシャツを着て、ブレザーのようなものを羽織るその少年は、背筋を伸ばし、見るからに健全な、優等生然としていた。
マリアビートルP11.93引用
肩幅の狭い華奢な背中を見れば、中学生が1人で新幹線の旅行を楽しんでいるようにしか見えない。
背丈は百六十五㌢ほどだろうか、少し瘦せた体型で、黒い髪は細く、長めではあるが重さをまったく感じさせなかった。くっきりとした二重瞼の目はとても大きく、暗闇で光る猫の目のようで目立つ。女みてえだな、と木村は思う。
映画では、可愛くってパパに振り向いてもらいたいが為に必死になる少女って感じでしたが、原作は全く違います。
ガチサイコパスです。
しかも可愛い中学生なのに、大人を遥かに超える頭の良さと残虐性…
原作を読んでいて、唯一嫌悪感を抱いたのが、王子くんの場面でした。
お姉さん本気で怯えました…
木村茂
映画【エルダー:真田広之】

原作【木村茂】
深緑色のジャケットを着た、中肉中背の、白髪頭の男が入ってきたところだった。太い眉に、細い目が鋭かった。
マリアビートルP506.508引用
歳はかなり上ではあるものの、萎れた様子はまるでなく、おじいさんおばあさん、と呼べるほどの老いはなかった。
樹皮が剥がれつつも堂々と立つ大樹のような貫禄があった。幹が太く、押しても動かず、強風にも揺れない。
外見で印象の違いは大きくはないものの、キャラクターが全く違います。
引用を読んでお気づきの方もいらっしゃると思いますが、奥さんもご健在です!
クールでかっこいいエルダーとは違い、ワイルドでエネルギッシュなおじさんというイメージでした!
まとめ
どうでしょう。
原作、気になってしまったのではないでしょうか。
物語も大筋は同じですが、登場人物や設定が違う部分も多いので、映画を観てからでも十分楽しめました。
気になる方は、是非手に取ってみてください。ただ分厚いです(小声)
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