※ネタバレにご注意ください!
最近暗めのばっか攻めてます。
今日は映画「聖なる鹿殺し The Killing of a Sacred Deer」についてです。
私には難しくて、考察と呼べる程の事は書けない気がしますが。
でも個人的評価をするならば☆星4/5。
こういう絶望感に包まれた映画は、とにかく好きです。
映画「聖なる鹿殺し」の概要

カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞しています。
監督 | ヨルゴス・ランティモス |
脚本 | ヨルゴス・ランティモス、エフティミス・フィリップ |
公開(日本) | 2018/3/3 |
上映時間 | 121分 |
製作国 | アイルランド・イギリス |
Filmarksでの評価は☆星3.6
映画「聖なる鹿殺し」のあらすじ
心臓外科医スティーブンは、美しい妻と健康な二人の子供に恵まれ郊外の豪邸に暮らしていた。しかし、彼らの特権的な生活は、ある少年を家に招き入れたときから奇妙なことが起こり始める。子供たちは突然歩けなくなり、目から赤い血を流す。そしてスティーブンはついに容赦ない選択を迫られることになる…。
Filmarksあらすじ引用
映画「聖なる鹿殺し」のメインの登場人物
スティーブン(コリン・ファレル)
父親。心臓外科医だが、過去飲酒により手術に失敗し患者は死亡。その息子から復讐を受ける事になる。
アナ(ニコール・キッドマン)
スティーブンの妻。眼科医。
マーティン(バリー・コ―ガン)
父親を殺された復讐を目的にスティーブンの一家に近づく。
ダンケルクにも出ていて、その時めちゃくちゃ独特な雰囲気のある人だなと思ってました。
この映画では、復讐心に溢れている様子を見せるわけでもなく、穏やかに語る、でも恐ろしい雰囲気を醸し出していて、たまらなかったです。
映画「聖なる鹿殺し」の感想と考察
分からない事だらけで、何も書ける気がしないですが感想を残しておこうと思いますw
”復讐を受ける家族が青年の何らかの力により洗脳される話”なのかなという私的な解釈です。
子供たちが、「こうなるのは当然で誰か1人が死ななければ事は収まらない」という風に状況を受け入れている所とか、殺すなら子供でしょって当たり前のように言う母親とか、青年の言う通りにするしかない絶望感がなんていうか、不謹慎だけどめちゃくちゃ良かったですw
何ていうんでしょ。誰もが、普通の家族ならこうするでしょ?って思い描いてる、良く観る映画とは全く逆なんですよね。
普通なら、もっと子供は怖がるだろうし、子供の命は親の命に変えてでも守るわって言うだろうし、むしろ敵は明らかなのだから、どうやったら普通の生活に戻る事ができるか考えるはずなのに。
家族みんなが身に起こる呪いのようなものを信じて、人間の希望を見出そうとする、前向きな感情をどこかに置いてきたように対処しようとする冷たさみたなのが、不快感となってじわじわと染みてきました。(家族を思う悲しさは伝わってくるし、辛いんだろうけどそれをも仕方ないと受け入れている感じ)
最初に症状が現れた弟に姉が「分かってると思うけど、死ぬのはあなたなの。でもみんなあなたを愛しているわ」と淡々という所もそうですし、最後に犠牲になる1人を決める瞬間もそうです、普通なら母親が「私が死ぬわ、後は子供たちをよろしくね」となりそうなもんですが、1人死ぬなら皆平等よ、と言わんばかりにロシアンルーレット方式。
私たちが知っているドラマの世界は、「自分の命に変えてでも守るわ、大切な人の為に戦うよ」ですが、リアルはこの映画のように冷たいものなのでしょうかね。(まあ、みんな死にたくないのは当たり前ですから否定はしませんけどwドラマティックじゃないですよねw)
でも、その冷たい絶望感に私の心は全部持っていかれてしまいました。
最後のカフェで、家族と青年がまるで一連の事件はなかったかのように交わる。
そこもまた良かったですねえ(伝わってほしいw)。意味深な青年と家族の目線のやりとりの意図が非常に気になる所ですが。
青年が、これがどういう事なのか見せてあげるよ的な事を言って、主人公の腕を噛み、その後自分の腕を食いちぎるシーンがありましたが、・・・・・え、どういう事なん???
???はてなが止まりません。
僕の家族を1人殺したなら、君の家族も1人死ぬべきだよ。やったんなら、自分にも報いがくる、それは受け入れなきゃだめだよ。分かるでしょ?必死に考えた結果、私には青年が冷静にこう言っているように感じました。
どういう事?ってはてなが浮かぶシーンがたくさんありました。
これは呪いやホラーの類なのか、それとも洗脳による復讐的な現実的な類なのか。聖なる鹿殺しというタイトルがどういう意味で何を指すのか、私には分かりませんでした。
これは、いろんな方の考察を読む旅にでなければなりませんねw
すいません、みんながおおおおっと思える考察は絞り出せませんでした。
そして、この映画の最大の魅力は不快感を与える音楽と音響。
これでもかってくらい、ほんと邪魔なくらいのデカめの音を鳴らしてきますw
それが超絶好み。この音たちのおかげで、私は最初から最後まで胸がもやもやしてたまらなかったです。
まとめ
どうだった?と聞かれたら、ううん・・・すごかった!
そんな映画でしたw
そしてバチバチに好みでしたので、ヨルゴス・ランティモス監督の映画をちょこちょこ攻めていきたいと思います。
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