最近「精神的にくる系ならマーターズがいいよ」そんな噂を聞きつけ鑑賞。
フランスのパスカル・ロジェ監督のオリジナル版と、アメリカのリメイク版両方一気見しました。
オリジナル版とリメイク版は全く別物、そんな認識で臨む方が楽しめると思いました。もちろん先に観るのはオリジナル版で。
物語や映像的には、痛くて辛くて酷い、そんな空気に包まれていますが、個人的に、この映画の肝となる「人は死んだらどうなるのか、死後の世界はどうなっているのか」の部分が気になりすぎて考えている内に、あれよあれよという間に映画が終わってしまいましたw
その部分についても、私の生涯お気に入りのある1冊の本をあげて語りたいと思います。
映画「マーターズ」の概要とあらすじ

今回は、オリジナル版をメインにして記事を書いていきますね!
監督 | パスカル・ロジェ |
脚本 | パスカル・ロジェ |
公開(日本) | 2009/8/29 |
上映時間 | 100分 |
製作国 | フランス・カナダ |
言語 | フランス語 |
製作費 | 280万 |
Filmarksでは★星3.4の作品です。
簡単な物語のあらすじとしては、監禁されていた1人の少女が運よく逃げ出しますが、精神的な闇を抱えながら大人になったのち、犯人を見つけ出し復讐を果たします。
そこから、なぜ少女は監禁されていたのか。犯人の目的とは一体何なのかが明らかになっていきます。
映画「マーターズ」のメインの登場人物

ここからガッツリネタバレしてます。
リュシー(ミレーヌ・ジャンパノイ)
監禁されていた少女。その影響で、幻覚(自分の命を狙うモンスター)が見える。
少し日本人っぽい顔でめちゃくちゃ美人ですよね。ベッキーの妹に似てる気がする!
アンナ(モルジャーナ・アラウイ)
リュシーとは子供の頃に施設で出会い、監禁後の苦痛から他人を寄せ付けなかったリュシーの唯一の友達であり理解者になる。
演技力がすごくて、最後の仕上げのシーンのアンナの表情が映画内で1番記憶に残っています。
映画「マーターズ」の感想と考察
2本の映画を観ているようだった
この映画は、「過去に監禁されていたリュシーの復讐劇」と「アンナが監禁されマーターズ(殉教者)となるまで」の前後編で分かれているような感じで、とても見ごたえがありました。
前半部分が終わった時点で、話に聞くようなグロさだったり、えぐい部分がそんなになかったので、後半の30~40分の間に詰め込まれているのかと考えると恐ろしく感じましたw
前半、ほのぼの親子が出てきて、次はこの女の子が狙われる的な流れ?と思っていたら、いきなりのリュシー登場で一家惨殺。なかなか背筋がピンとするシーンでした。
アンナもリュシーの復讐を間違っていないと信じたい気持ちはあるものの、精神的に病んでいるリュシーを完全に信じ切る事が出来ず、唯一の理解者であるアンナに疑われたショックにより、リュシーは自殺してしまいした。
そこから、後半部分に入り、リュシーの話が真実であった事が明らかになっていく感じが、ものすごく恐ろしかったです。
悪趣味夫婦によりもたらされた事件なのか、でもまだ時間あるしな。どうなるの?怖い。
そこから話は一転。
タイトルにもあるマーターズの話になっていきます。
人は死んだらどうなるのか。アンナがみた世界とは。
マーターズ=殉教者、はて、殉教者とは何ぞ?w(Google先生にはほんと頭があがりません)
※宗教に詳しくはない奴が、感じたままに語る事をご理解ください。
殉教者とは、自ら信仰する宗教の為に命を落とした者。信仰のために死んだ信者の事を指すそうです。
信仰が全てだから、それに応じる為なら命なんぞくれてやる!そんな感じ?
犯人組織のボスはマドモアゼルという、太目のキャラ強い老婆。
若い女性を、暗闇の中監禁・暴行し続け、死の狭間に追いやる事で、ごく稀に死後の世界をみる事ができる者がいる。その死後の世界がどうなっているのか知る為に、このおぞましい監禁を続けているのだというのです。
ここで1つ思った事は、せめて対象者は信者の中から選べよ。
だって、若い信者も絶対いますよね?!同じように死後の世界をみたい若い信者もいるはずなのに。無関係な子を犠牲にするな!
この時点で胸糞ではあるのですが、その後アンナは死後の世界へ到達する事になります。

ここで、始めにお話した本の話を少しさせてください。
この本の話をどこかで絶対にしようと放出場所を探していましたが、まさかマーターズの記事になるとはw
私は子供の頃から、人が死んだ先の行方が気になって仕方ない子供でした。
色んな人に「人って死んだらどうなると思う?」そう尋ねては「そりゃ、消えるだけだよ」そんな返事に納得できない人生を送ってきました(重症w)
そんな私の1番の有力候補は「輪廻転生」でした。
家族に言っても、苦笑いw
こんな、大人になってまで恥ずかしいですが至って真面目です。
色々調べても、仏教とか宗教とか神様とか、こう言い伝えられてますよっていう妄想の話ばかり。
私が知りたいのはそんなインチキっぽい話じゃないんじゃ!(※個人の意見です)
そんな変な興味をずっと抱いて生きてきましたが、ついにその答えとなる本と出会うことになります。
「人は死んだらどうなるのか 死を学べば生き方が変わる」
この本は、妄想でも宗教でもなんでもありません。
昔からの死生学研究についてまとめた本になります。本を書いているは加藤直哉さんというお医者様。
病気等で、どうしても死を免れる事ができない絶望の淵にいる患者さんの為にできる事。それは死後の世界がどういうものなのかを明らかにする事だ。そんな熱い思いで本を書かれています。
その中で、たくさんの事例が書かれてるのですが、臨死体験をした人の話があります。

一切の不安や痛みが消え、幸せであたたかく、まるで天国のようだった。
そして、この世のものとは思えないようなあたたかな光で包まれる。
1人だけではなく、世界あちこちから、しかも時代も違う人達が同じような証言をしているそうです。
まあ、信じるか信じないかはあなた次第という事でw
私はこの本で長年のモヤモヤが消えましたし、人生においてとても大切な本になりました。興味ある方は是非1度読んでみても面白いと思います。
で、やっと映画の話に戻りますw
アンナは死後の世界をみた訳です。映像でも雲から指す光のようなものがうつっていましたよね。
そこで、上記した本と重なったんですよね。
たくさんの苦しみを受けたけれど、もうその事実は変えられないわけで、バッドエンドのように思えるのですが、個人的に感じたのは、アンナも上記の本の臨死体験者と同様、とても幸せな温かい何かに包まれていたのではないか?ということです。
アンナがみているものは、何かとても神聖なもののように感じました。
アンナにとっては、最終的に報われないだけで終わったのではなかった。そうだったら良いなという期待を抱いています。
ラストのマドモアゼルは、なぜ死んだんでしょうか?
思ってた世界と違った?それとも幸せな死後の世界だという事が分かったから、死んでも惜しくないと思って自殺した?これまで命を奪われた被害者への償いの気持ちもあった?
そんな事を考えても分からなかったラストでした。
ちなみに、紹介した本の中で、自殺や殺人を犯した人が死後の世界でどうなるのか。
それについても書かれています。簡単に述べると、あたたかい心地よい世界はそこには無く、一寸の光もない闇。どこを目指して歩めば良いかも分からない。無で苦しい世界だそうです。
どんな理由にせよ、人の命を奪い、自らの命を絶ったマドモアゼルの行く先は、それに近しい寂しい地獄のような世界だったに違いない。そう思います。
みなさんは、どう解釈されましたか?
まとめ
なんか、めっちゃ色々考えてしまった映画でしたw
万人に受ける映画では絶対ないと思いますが、私は映画の雰囲気はすごく好きだったので、多分また観てしまうと思います。
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