本日感想を書いていくのは、ネットフリックスで配信されている映画『サイトレス』。
個人的にはかなり面白かったのですが、フィルマークスの評価は意外にも低くく、2点台をつけてる人も多くてビックリでした。
映画『サイトレス』の作品概要

監督:クーパー・カール
原題「Sightless」/2020/89分/アメリカ
サスペンス/盲目の世界
個人的評価:
結構好きな作品だったので監督について調べましたが詳しい情報がなく、代表作も本作のみのようです。
この作品のおもしろポイントは、主人公が盲目で私たちが見ている映像はすべて、その主人公の目を通して映し出されたものであるということです。
「これは事実なのか?それとも主人公の脳内で描かれる偽の世界なのか?」
映画『サイトレス』あらすじ
ヴァイオリニストの主人公エレンは、ある日何者かに劇薬をかけられ失明してしまいます。
退院後、弟が手配した介護士の支援の下、新たな生活がスタート。
しかし、徐々に周囲の違和感に気付きはじめ、これまで真実だと思っていたことが全てセッティングされた嘘だったことを知ってしまいます___。
映画『サイトレス』登場人物&キャスト
主人公エレンを演じているのが、ネットフリックスドラマ『リバーデイル』にも出演するマデライン・ペッチ。
「サイトレス」では失明してる役なのでほぼノーメイクかと思われますが、「リバーデイル」ではバチバチにメイクしててかわいい。
大人っぽいので30代前半くらいかなと思ってたら、2023年6月時点で28歳でした。お若い。
中央段の一番右、赤毛のハーフアップの子がマデラインですね。
そして、介護士クレイトンを演じるのは、ドラマ『アンダー・ザ・ドーム』に出演するアレクサンダー・コックです。

全く知らない俳優さんでしたが、これがまた背が高くてイケメンでかっこいいんですよね。
しかも介護士さんって所、高感度上げポイントですよね。
最初から、コイツになんか秘密があるんだろうな感満載ですが、その豹変するかしないかもワクワクしながら見進められます。
ネタバレ感想・考察
最初から謎も多く、これは真実?それとも想像?という感じで、みてるこっちまでその世界をずっと疑いながら楽しめるので、とても面白い作品でした!
最初の弟との会話
失明し入院していた病院を退院する時、弟と今後について電話するシーンがあります。
エレンの問いに微妙な間があってからの、弟の返答。
小さな違和感…もしかしてすでに弟は何者かに殺されてて、実は声の主は介護士だったりする?と思いながらも、エレンが普通に会話を続けるので違和感は残りながらもスルー。
結局は、多分声の主はクレイトンでしたよね。そう考えると、弟と見ず知らずの介護士の声聞き間違える??となりました(笑)
オレオレ詐欺とかありますけど、顔が見えない状況で演技されるとやっぱ分かりにくいもんなんですかね。
見ていたものがエレンの脳内再生だと分かる瞬間
この映画の見所がここだと思うんですけど、映画として私たちが見ている映像は事実ではなく、エレンが耳や手の感触から得る情報を基に頭の中で作り上げた映像だという所です。
クレイトンがお土産にグリーンのインコを連れてくるシーン。ここで、元々エレンの中ではインコ=グリーンのイメージだったことが分かります。
エレン「何色?」、クレイトン「ブルーだよ」
すると映像では、グリーンのインコがたちまちブルーに書き換えられるのです。
盲目の人が普段みている映像が可視化されている感じで、なるほどなー!と思いました。
その他にも、部屋に忍び込んできたのがクレイトンかと思いきや、隣人のDV男、劇薬をかけられた犯人へと移り変わるシーンなど、見えないことで判断できる情報がどれだけ縮小されるかよくわかります。
私たちの身近なものでいえば、マスクですよね。
実際マスクを外すと思ってた顔と全然違った!というように、見えないものを作り上げて現実だと認識していることって結構あるなと思いました。
みんな同じ声に聞こえないのかな?
結果、劇薬まいた犯人も、病院の医師や看護師も、救急隊員も隣人のDV男もすべてクレイトンが演じていたというオチでした。
普通に面白いオチだと思うんですが、大きな疑問点があります。
エレン、さすがに気付こうよ!(笑)
目が見えないと、耳やその他の感覚が研ぎ澄まされると聞いたことがあります。
なのに、エレン全然騙されてる!オレオレ詐欺されてる!
クレイトン、声帯を駆使して声変えてたのかな(笑)
それにしても動機が変。他に方法なかったの?
クレイトンの監禁動機は、過去クレイトン自身が監禁されて辛い時期に、エレンが演奏する曲に支えられたから今度は自分がエレンを助けてあげたいというものでした。
そんな恩人を失明させてまでお世話したいなんて、もっと良い方法があったんじゃ?と思いますよね。
そんだけイケメンなら、素でエレンに近づいて恋人候補に手をあげる方法だってありそうです。
私、この映画が始まった時から、「このイケメン介護士、実はキモイおっさんなんじゃないの?」という疑いの目でみてました(笑)
だって映画自体がエレンの想像上の映像でしかないわけで、クレイトンが犯した真実が分かってもその部分しかエレンの中では書き換えられないわけですよね。
そしたら、クレイトンの外見も書き換えが起こっていないだけで、実はキモイおっさんなのかも…という考え方もできますよね。
だってあれだけイケメンなら、変な建物にお金かけなくても1回恋人候補に挙手してみればいいですもん(笑)
独占欲が凄いんでしょうけどね。自分以外の誰にも触れさせたくない、自分だけがエレンを守っているという感覚を味わいたかったんでしょう。
ある意味純粋ですね。
そういうのも全て含めて、最後まで本当に良く出来た面白い作品だなと思いました。
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