昔のJホラー特有の、呪怨とかリングみたいな暗く湿った不気味な雰囲気が大の苦手な筆者です。
そんな雰囲気の中、怨念を宿らせた幽霊が登場するのはもちろん怖い。ですが、それが猟奇的な美女ならどうでしょう。
キリキリキリキリ…のキャッチフレーズ(?)で有名な映画『オーディション』。
本当に、キリキリ痛みました。
映画『オーディション』の作品概要

監督:三池崇史
2000/115分/日本/R15+
キリキリキリの正体/若干胸糞
個人的評価:
原作は、村上龍さんの小説「オーディション 」です。
主人公青山を石橋凌さん、その相手役麻美を椎名英姫さんが演じています。
椎名英姫さんはザ・アジアンビューティーという感じで、演じる麻美の美しさと儚さが混同する容姿と演技にうっとりしてしまいました。これで爆弾級の殺人癖を抱えてるんだから、魅力的ったらありゃしないです(笑)
▼椎名さんのInstagram
あらすじ
病気で妻を亡くした青山(石橋凌)は、息子に勧められたことをきっかけに再婚を考えだす。
「大人の男なんだからじっくり理想の相手を選んでいこうじゃないか」そう語る青山だったが、友人の吉川(國村隼)がセッティングした映画オーディションを装った青山の未来のお嫁さんオーディションの中で麻美という女性に一目惚れしてしまう。
青山の理想通り容姿端麗で教養も申し分ない、美しくもどこか寂しげな影を落とす麻美にどんどん引き込まれていった。
本気で将来を考えた美しい女性。運命の出会いだと錯覚した青山に天罰が下る___。
ネタバレ感想・考察
天罰下したれ!
青山と麻美のどっち目線で立つかでも感想は変わると思いますが、率直な感想で秘密のお嫁さんオーディションなんてまじでキモイなと思ったので「天罰が下る」という表現にさせていただきました(笑)
最近の芸能界ニュースと通ずる部分があって、更に胸糞悪い気持ちになりました。
奥さんが亡くなって、可哀そうな青山。純粋に麻美に恋をして、運命的な出会いだと有頂天になっていたことでしょう。純粋に恋に焦がれているだけなので、キリキリ痛めつけられるのは多少心が痛みますが、麻美が言っていたことが全てだなと思いました。
「オーディションで好みの子を探して、楽しんだら終わり。みんな一緒。」
それが純粋であれ本気であれ、女の子の夢を利用してキショいことをやっているのですから、天罰?くだれくだれー!なんて思ってしまいました(笑)
にしてもサイコパスだった麻美
天罰はまあ、OKとしよう。
ですが…麻美の殺害動機は上記に書いたような下劣な行為に対してではない気がしますね。
過去に辛い経験を経た上で、サイコが宿ったという印象を受けました。
殺害を楽しんでいる。自分より上に立っていたものが、目の前でひれ伏せ崩れ落ちていく姿に快感を覚えているような…。
「私だけを見て」という麻美でしたが、仮に青山が独り身だったら殺されずに済んだでしょうか。
なんか、そうではない気がしてなりません。
麻美を発掘したつもりの青山ですが、実は青山が麻美に選ばれていたのかもしれませんね。
ラスト麻美の棒読みセリフ
ラスト、青山の息子に階段から蹴り落とされ、横たわりながら何かをブツブツと呟く麻美。
その言葉は、青山と出会った時に発していた青山との出会いを運命的だと喜ぶ言葉でした。
棒読みで、その言葉というよりセリフをブツブツと機械的に発する麻美。
私が思うに、次のターゲットを青山に定め、映画のセリフを覚えるように何度も何度も何度も繰り返し練習したのではないでしょうか…。
日本映画の中ではグロ星3つ(個人的には)
メインビジュアルにもある「キリキリキリキリ…」
これは、長い針を指でねじねじしながら体に差し込んでいくオノマトペでした。
麻美「キリキリキリキリキリ~♪痛いでしょう?」
キリキリ痛むということでしょうか。
効果音も的確でリアルな感じが伝わってきて、早く拷問シーン終わってくれー!と願いました(笑)
そして、もう一つの見所ともいえるワイヤーを部位に巻き付けキコキコしちゃうシーンですね。
麻美「骨付き肉でも簡単に切れちゃうの」
個人的にツボったのが、キコキコした青山の足首を邪魔だからどけや!と言わんばかりに雑に投げ捨てるところですね。容赦ないな、この女(笑)
あまり日本のホラーでグロい映画をみたことが無いからかもしれませんが、グロ映画界では星3/5くらいかなと思いました!
足首だけで済んでますからね。バラバラ、臓物、多量出血そんなののオンパレードを5とするなら、3くらいが妥当かなという感想です。
ただグロいだけでなく、Jホラー特有の背筋が凍るような雰囲気、麻美役の椎名英姫さんの活躍、胸糞展開と色々と魅力の多い作品でした。
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▼原作
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